何かを貫き通したくなる、そんな気分にさせる映画。
『テイルズ オブ ヴェスペリア ~ The First Strike ~』を観てきた。
テイルズシリーズは、正直、そんなに興味ないし、ゲームも殆ど遊んだことがないんだけど、制作がPRODUCTION I.Gだし、脚本が吉田玲子だしってことで、とりあえず観てみようと思った。
映画を観る前は、イケメンや萌えキャラが、これでもか! と動き回る、中二病気味な爽快アクション大作なんだろうなと、勝手に思い込んでたんだけど、実際に観てみたら、予想と全然違ってて、かなり困った。
だって、実際に一番目立ってたのは、イケメンの主人公達……じゃぁなくって、中年の渋~いオッサンなんだもの。
このオッサンが、とにかく、カッコイイんだ。
見た目じゃなくって、普段の振る舞いとか、生き様とかが、もう、とにかく、カッコイイ。
イケメン達が所属する、騎士団の部隊長なんだけど、もうね、なんつーか、理想の上司なんですよ。
偉いからって偉そーにせず、いつでも少しとぼけた態度で周囲の緊張を解し、部下からも慕われ信頼され、やるときはやる男。
少なくとも、俺はリアルで、こんな素敵な上司に出会ったことがない。
少なくとも、自分自身は、出来る限り、こうでありたいと意識する努力はしているつもりだけど、それを貫き通すには、俺の器はちっぽけ過ぎるみたいでねぇ……。
とにかく、この映画、部隊長のオッサンが全てだと言い切っても、過言ではない気がする程、オッサンが魅力的なんだ。
渋いオッサンの魅力全開!
ただ、そのおかげで、作品全体を通して感じる、地味さは、もう、どうしようもない。
一応、アクションシーンもあるにはあるのだけど、むやみに派手で突飛なアクションはなく、観ていて爽快感はない。
戦う相手は、殆どがモンスターなんだけど、こいつらも派手で迫力のあるような奴らは登場せず、強いんだけど、地味で華の無い連中ばかり。
ハラハラドキドキするような展開はなく、大した起伏も無く、只々、淡々と流れていく物語。
ぶっちゃけ、観ていて、苦痛を感じる程、退屈だった。
でも、凄く良い映画を観たなぁと、感じた。
ここまで退屈だと、スタッフが、それをあえて狙っていたんじゃないかと、思う。
戦いを娯楽にしない、むしろ観るのが辛く感じるような。
吉田玲子繋がりだからかもしれないけど、時代や舞台が変わると、『けいおん!』もこうなってしまうものなのかもしれないなぁ、なんてことを思った。
決して、わかり易い、娯楽映画ではないけど、こんな映画がたまにはあるくらいのほうが、健全なはずだと、思う。
客とか、時代とか、何か色んなものに媚びようとせずに、こんな映画を作り上げたスタッフを、感謝しつつ、讃えたい、そんな気分。
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