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学生服とジーパンと

『3月のライオン』を読み始めてみた。

『ハチミツとクローバー』はアニメは全部観てたけど、漫画は全く見なかった。

リアルで死にたくなる程落ち込んだ気分の時に、
アニメ版ハチクロの根岸のおじさんの回を観る。

俺は多分、根岸のおじさんが愛おし過ぎるんだな。

それはそれとして『3月のライオン』。

羽海野チカさんの漫画自体を読むのは初めてだったけど、
アニメのハチクロは面白かったんだから、コレもそこそこ面白いに決まってるだろうという、
ある程度の安心感を持って読み始めたんだけど、初っ端から漂う不安な空気。

何だろう。読めば読むほど不安になる。

いたるところに笑いや可愛い女の子(ついでに男連中もなんか可愛い(バカ)奴が多い)を散りばめて誤魔化してはいる感じだけど、
それでもやっぱり、すげえ不安になる。

確かに時々優しい気持ちになれたりもするんだけど、
それでも漂う不安な空気が絶対に拭えない。

どうしようもなく不安だから優しさを求めているはずなのに、
その優しさがむしろ余計に不安にさせる。

そもそも川が好きというのがかなり不安なんだよな。

以前、大きな川が近くにある会社に勤めていた頃、
精神が不安定になると、昼休みは会社から出て、
昼飯も食わずに土手に腰掛けて川を眺めながら、ただただぼんやりとしていた。

心理学とか精神学とかはよくわかりゃしないのだけれど、
川になにかを依存してしまうような人の精神状態が良好だとは俺には思えない。

でも、それでも、こんなにも不安でどうしようもないのに、こんなにも面白いと感じるのは、
俺がどうしようもなく不謹慎な人間だからなのだろうか。

将棋のルールなんて全くわからないし、この漫画を読んでも将棋のルールなんて覚えられないと思うけど、それでもこの漫画は面白いのだ。

やっぱり漫画ってすげえなと思う。

そんな『3月のライオン』第1巻の中で俺が一番気になってしょうがなかった場面は、
開始直後に幸田との対局当日の朝に零が、
学生服のズボンとジーパンのどちらを穿くのかを選んでいる場面だったりした。

正式な将棋の対局において服装に決まりがあるのかどうか調べてないのでわからないけど、
零は心のどこかで、幸田とジーパンを穿いたラフな格好で、何の気兼ねもなく素直な気持ちで、屈託ない子供のように接したいと望んでいるのかしらと。

望んでいないのに家族を失ってしまった零も、
死んでほしいほど家族が憎かった俺も。

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